JRA2歳牡馬チャンピオン決定戦としておなじみのG1朝日杯フューチュリティS(中山芝外1600メートル)が、来年から舞台を阪神競馬場に移して行われることが明らかになった。2014年暮れ開催の3週目=5回阪神6日目(12月21日)に、芝外1600メートルで施行される。半世紀以上(今年で65回)暮れの中山で行われてきたこのレースが西に移る背景には、長く指摘されてきた舞台設定の欠陥がある。
現行の中山1マイルは発馬後最初のコーナーが急激に曲がる構造で、外枠が圧倒的に不利。枠順が決まった瞬間一定の馬がチャンスをなくす舞台が王者決定戦にふさわしいかという議論は古くからあった。
その点、大回りで直線の長い阪神なら枠順の有利不利はほとんどない。もうひとつの要因は西高東低の勢力図。すでに関西馬優勢の流れは固定されており、阪神施行なら多数の有力若駒の輸送負担が軽減できるという発想だ。
「コース面からも、勢力からも妥当な流れでは…」とは某馬主関係者。今回の開催地移動は驚きではあるが、必然の側面もある。この変更に呼応して暮れの阪神最終週に組まれていたG3ラジオNIKKEI杯2歳S(現行芝内2000メートル)は東西入れ替わる形で中山開催に。14年は有馬記念と同日の4回8日目(28日)に芝内2000メートルで施行される。次年の牡馬3冠初戦皐月賞と同舞台で、4か月前の“予行演習”としてより注目を集めそうだ。
東スポWeb 2013年9月28日(土)13時21分配信
これは朝日杯フューチュリティステークスが中山で開催された最後の年である2013年に東スポで書かれたニュース記事である。
中山のコースは欠陥?
確かに中山競馬場のコースは枠による有利不利がレース予想において大きなウェイトを占めることが多い。我々競馬ファンとしては予想しやすいという意味では助かるのだが・・・馬の実力を図るという意味では阪神の方が向いているのかもしれない。
例えば、↑の写真は中山芝1600mのスタート地点付近の写真なのだが、スタート後はさほど距離もなくすぐにカーブとなっている。しかも、スタートから3コーナー途中まで下り坂が続いていてペースも速くなりがち。内枠が有利で、外々を回らされる外枠は不利なコースとなっている。
さらに、直線に入ると一度下がり、最後に2.3mの急坂を駆け上るという起伏に富んだコースとなっている。高低差が5.3mもあり、ゴール前で着順が変わることもしばしば見られる特殊なコースだ。
どこを見るかによってレースそのものの価値というのは変わってくると思うが、筆者の個人的な意見としては中山は中山でトリッキーなコースで面白いと思う。ただ、それを2歳の世代最強馬を決めるレースに選ぶのは確かに疑問に思うところがある。年末の有馬記念なんかは年末のお祭り行事や、宝くじ的な間隔で買う客も多いので、馬券的な面白みが強い中山は向いているだろう。ただ、純粋に2歳世代の実力を図るレースとなると、実力がそのまま反映されやすいコースでレースをするのが競技としては正解なのかもしれない。
JRAでは毎年130以上の重賞レースが行われているが、各レースが適切なコースで行われているかどうかという問題は、依然解決すべき大きな課題の1つである。